メルセデスのバッテリー問題と複数チームのDNF連鎖
バルセロナGPではアントネッリがレース中にストップし、アストンマーティン・ホンダも2台完走ならずと、メルセデスPU搭載勢が軒並み苦しんだ。メルセデスはバッテリーモジュールに共通する問題を特定し新モジュール投入を発表したが、フェラーリのPU強化と対照的にタイトル争いへの懸念が深まった。ウルフ代表は「無意味なレース」とバッサリ切り捨て、チームオーダー導入の可能性も浮上している。
2026年6月15日〜2026年6月21日 (115記事を分析)
ルイス・ハミルトンがフェラーリ移籍後初勝利をスペインGPで達成し、F1界全体を揺るがす一週間となった。メルセデスのバッテリートラブル、モナコGP混乱の余波、次世代PU論争まで、複数の火種が同時に燃え上がった。
ルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリ)
バルセロナ・カタルーニャGPで31戦目にしてフェラーリ初優勝を達成。開幕から続いた低迷と「終わった」という批判を圧倒的な速さで黙らせ、ノリスにも「批判する人に中指を立てたね!」と称賛された。VSCの恩恵はあったものの代表も「なくても勝っていた」と断言し、かつての全盛期を彷彿とさせるパフォーマンスでフェラーリとともにタイトル争いの新局面を切り開いた。
バルセロナGPではアントネッリがレース中にストップし、アストンマーティン・ホンダも2台完走ならずと、メルセデスPU搭載勢が軒並み苦しんだ。メルセデスはバッテリーモジュールに共通する問題を特定し新モジュール投入を発表したが、フェラーリのPU強化と対照的にタイトル争いへの懸念が深まった。ウルフ代表は「無意味なレース」とバッサリ切り捨て、チームオーダー導入の可能性も浮上している。
前戦モナコGPで発生したFIAのペナルティ運用ミスを巡り、ガスリーの3位復活が確定したことでマクラーレンとレッドブルが正式抗議に乗り出した。メルセデスは一度再審請求を提出したものの「競技にプラスにならない」として土壇場で撤回し、ラッセル救済の道を自ら閉ざした。この問題は「パンドラの箱」として各チームが連鎖的に再審請求を検討する事態に発展し、F1のペナルティ制度そのものへの信頼が揺らいでいる。
FIAのベン・スレイエム会長が「630kg・880馬力・V8自然吸気」という次世代PU構想を公表し、アウディを中心に強い反発が巻き起こった。アロンソやストロールも「電動部分を完全になくしてほしい」「来年からV8に戻すべき」と後押しする一方、アウディは「重要なのは気筒数ではない」と反論し両者の溝は深まっている。2026年規定に巨額投資をして参戦したアウディにとっては死活問題であり、今後のF1ガバナンスを巡る闘争に発展しそうだ。
フェルスタッペンのメルセデス移籍説が「プライベートジェット追跡報道」で再燃し、陣営は夏休み前に決断を示唆した。また、アロンソのアルピーヌ復帰説・アストンマーティン残留・引退の三択が依然として不透明なまま浮遊しており、ペレスのアストンマーティン入りやツォロフのレッドブル昇格など、2027年シートを巡る水面下の動きが活発化している。角田裕毅についてはトヨタとの関係構築やホンダ離脱の可能性も報じられ、日本人ドライバーの去就も注目局面を迎えた。
次戦はフェルスタッペンの母国オーストリアGPで、レッドブルが大規模アップデートを投入し「4番手」からの巻き返しを図る。フェラーリの新PU・新燃料も投入予定で、ハミルトン連勝かレッドブル復権かが最大の焦点となる。